2025-04-28 コメント: 1件 ▼
石破政権、オーバーツーリズム下でインバウンド支援に18億円投入 快適環境整備を推進
石破政権、オーバーツーリズム下でも外国人観光支援に18億円投入へ
石破政権は、日本各地でオーバーツーリズム(観光客過剰問題)が深刻化する中、訪日外国人旅行者(インバウンド)向けの受け入れ環境整備を目的に、18億6600万円を投入する方針を示した。2025年度(令和7年度)の当初予算案に盛り込まれたこの施策は、「インバウンド受入環境整備高度化事業」として実施される。
事業概要と目的
この事業は、訪日外国人旅行者による地域経済の活性化を目的に、公共交通機関の駅から観光地への「まちあるき」や広域周遊を促すための環境整備を支援するものだ。対象となるのは、インバウンド需要が急増している市区町村で、外国人旅行者がストレスフリーに移動し、消費行動を活発化させることを狙っている。
政府は、円安やビザ緩和措置により今後も訪日外国人が増加する見通しであることを踏まえ、観光地の混雑解消と周辺地域への誘導、消費拡大を重要政策に位置付けた。これにより、従来から指摘されていた「特定エリアへの集中」を是正し、地域全体の経済効果を底上げする狙いがある。
具体的な補助対象事業
補助対象となる具体的な整備事業は以下の通りとなっている。
- ナイトタイムエコノミー(夜間経済)のための環境整備
- イベント開催に対応する屋外広場の整備
- 景観悪化を招く廃屋の撤去
- ワーケーション(仕事+観光)環境の整備
- 多言語による案内表示の拡充
- 無料公衆無線LAN(Wi-Fi)の設置
- 段差解消などバリアフリー対応
- 子連れ旅行者向け施設の整備
- 電気自動車(EV)用急速充電器の設置
これらの事業に対する補助率は、基本的に経費の2分の1以内とされるが、特定の条件を満たす場合に限り、3分の2以内まで引き上げられる。
国民負担とオーバーツーリズムへの懸念
一方、各地でオーバーツーリズムによる住民生活への影響が強まる中、今回の18億円規模の税金投入に対する疑問の声も上がっている。特に、京都市や鎌倉市、沖縄県などでは、交通渋滞、ごみ問題、騒音など生活環境の悪化が深刻化しており、「なぜまずは観光客抑制策を講じないのか」との批判も根強い。
石破政権としては、観光による経済効果を最大化しつつ、地域住民との共存共栄を図るという難しい舵取りを迫られることになる。インバウンド推進政策が地域との摩擦をどのように回避し、実効性ある結果を出せるのか、今後の運用と市民の受け止め方に注目が集まっている。