2025-04-18 コメント投稿する ▼
「領土・主権展示館」が体験型展示でリニューアル 若者にも伝える“日本の島々”の現実
領土・主権展示館、体験型展示でリニューアルオープン
政府の領土・主権に関する情報発信拠点である「領土・主権展示館」(東京都千代田区)が、2025年4月18日にリニューアルオープンした。今回の改装では、従来の「読む展示」から、映像や体験型設備を活用した「体感する展示」へと大きく方針を転換。特に若年層を含む幅広い世代に、領土問題への理解と関心を深めてもらうことを目的としている。
イマーシブ・シアター:五感で感じる島々の自然
リニューアルの目玉となるのが「イマーシブ・シアター」だ。13台のプロジェクターを駆使し、床・壁・天井の5面に北方領土、竹島、尖閣諸島の自然や風景をCG映像で投影。来館者は、島々の空を飛び、海に潜るような約8分間の仮想体験を通じて、各地域の自然環境や生態系を臨場感たっぷりに体感できる。北方領土では流氷の間を泳ぐシャチ、尖閣諸島では断崖に巣を作るアホウドリなど、各地域に生息する生物が映し出される。
教育現場との連携強化
内閣官房領土・主権対策企画調整室の岡朋史室長は、「領土に関する教育は難しいとの声が多く聞かれる。今回のリニューアルで、児童生徒が楽しみながら主体的に学べる仕組みを整えた」と述べている。展示館では、学校のニーズや旅程に合わせた多彩な見学コースを用意。短時間でのポイント学習コース(30分)から、映像視聴やグループワークを含む充実学習コース(90分)まで、柔軟な対応が可能だ。また、館内には飲食可能なスペースも設けられ、修学旅行や社会科見学の昼食場所としても利用できる。
今後の展望と拡張計画
2025年夏から秋にかけて、展示館の拡張部分もオープンする予定だ。新たな施設では、日本の国土や領土、海洋について広く取り扱うほか、各種ワークショップの開催や自主学習に活用できるライブラリーの設置が計画されている。また、オンラインでのサービス提供にも意欲的で、遠隔地からのアクセスに対応するため、オンラインでの見学や講義なども企画されている。
施設概要
- 所在地:東京都千代田区霞が関3-8-1 虎ノ門ダイビルイースト1階
- 開館時間:10時~18時
- 入館料:無料
- 休館日:月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)
- アクセス:東京メトロ銀座線「虎ノ門駅」徒歩約5分
- 公式サイト:https://www.cas.go.jp/jp/ryodo/tenjikan/
領土・主権展示館は、体験型の展示を通じて、来館者が日本の領土問題について主体的に学び、理解を深める場として生まれ変わった。今後も、教育現場との連携を強化し、幅広い世代への情報発信を続けていく。