2025-04-14 コメント投稿する ▼
公約「育成就労」2027年スタートへ 企業には最大80万円の助成も、技能実習制度は廃止に
育成就労制度の概要と目的
育成就労制度は、未熟練の外国人労働者を受け入れ、原則3年間の就労を通じて特定技能1号水準の技能を習得させることを目的としている。対象となる分野は、人手不足が深刻な産業分野であり、農業、建設、介護、飲食料品製造業などが想定されている。制度の目的は、外国人材の人権保護、キャリアアップ支援、安全・安心な共生社会の実現である。
技能実習制度からの主な変更点
- 転籍の容認:
技能実習制度では原則として転職が認められていなかったが、育成就労制度では、一定の条件下で同一業務分野内での転籍が可能となる。
- 日本語能力の要件:
入国時に日本語能力試験N5レベル(A1相当)以上の合格が必要となる。
- 監理支援機関の許可制:
受け入れ企業を支援・監督する機関は、厳格な許可基準を満たす必要がある。
- 育成就労計画の認定制度:
受け入れ企業は、外国人労働者ごとに育成就労計画を作成し、認定を受ける必要がある。
受け入れ企業への支援策
育成就労制度では、受け入れ企業に対して以下のような支援策が設けられている。
- 育成就労計画の認定支援:
企業が作成する育成就労計画の認定手続きに関して、外国人育成就労機構が支援を行う。
- 監理支援機関との連携:
企業は、監理支援機関と連携し、外国人労働者の受け入れや育成を適切に実施することが求められる。
- 転籍支援:
外国人労働者が転籍を希望する場合、監理支援機関が関係機関との連絡調整を行い、円滑な転籍を支援する。
また、企業が外国人労働者の就労環境を整備するための取り組みに対して、以下のような助成金が用意されている。
- 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース):
外国人労働者の就労環境整備措置を導入し実施した場合、1制度導入につき20万円(上限80万円)が支給される。支給対象経費には、通訳費、翻訳機器導入費、翻訳料、弁護士・社会保険労務士等への委託料、社内標識類の設置・改修費などが含まれる。
- 人材開発支援助成金(人材育成支援コース):
企業が労働者に職務に関連した専門的な知識・技能を習得させるための訓練を実施した際の経費や賃金を助成する制度。助成額はコースごとに異なり、最大で1億円が支給される場合もある。
- 早期再就職支援等助成金(雇入れ支援コース):
再就職援助計画などの対象者を離職後3か月以内に期間の定めのない労働者として雇い入れ、継続して雇用することが確実である事業主に対して、支給対象者1人につき30万円が支給される。
育成就労制度の施行に向けて、政府は分野別の運用方針や受け入れ見込数の設定、監理支援機関の許可基準の詳細などを順次公表していく予定である。企業は、制度の趣旨を理解し、適切な受け入れ体制を整備することが求められる。
育成就労制度の導入により、外国人労働者の権利保護とキャリア形成が促進され、企業にとっても持続可能な人材確保が可能となることが期待されている。
この投稿は石破茂の公約「高齢者・女性・障がい者・外国人の就労を促進」に関連する活動情報です。この公約は33点の得点で、公約偏差値47、達成率は0%と評価されています。