2025-04-13 コメント投稿する ▼
「子育てしながらスキルアップを」石破首相、神戸で女性起業家と意見交換 制度改革へ意欲
柔軟な働き方への期待
意見交換では、子育てと仕事を両立する難しさや、職場での理解不足などについて参加者から率直な声があがった。ある参加者は、「子どもの体調不良で急に休まなければならない時、周囲の視線が気になる」と語り、柔軟な働き方が広がるよう国の制度整備を求めた。
石破首相は意見を受けて、「多くの女性が、もっと働きたい、自分を高めたいと思っている。その気持ちをどう支えるかが問われている」と語った。
「思い込み」を超えていく
首相が言及したのが「アンコンシャス・バイアス(無意識の偏見)」だ。たとえば、「子どもがいるから責任ある仕事は無理」「育休から戻っても戦力にならない」といった先入観が、女性の活躍を阻む壁になっている。
「こうした思い込みや古い価値観を一つずつ解きほぐし、制度だけでなく社会の空気も変えていきたい」と石破首相。民間企業の柔軟な制度設計や、地方自治体の取り組みを国の政策に反映させていく方針だ。
各地で進む取り組み
実際、地方自治体では独自の工夫も広がっている。東京都では、小池百合子知事が掲げる「切れ目のない子育て支援」として、第2子以降の保育料無償化や、出産応援事業を展開。秋田県では、子育て支援に積極的な企業を表彰する制度も導入されている。
兵庫県も、支援が特に必要な妊産婦への包括的なサポート体制を構築中だ。こうした地方発のアイデアは、石破首相が目指す「新しい日本の形」のヒントにもなっている。
国の取り組みも前進
国としても、子育て中の女性の再就職を支援する「マザーズハローワーク」や、短時間の訓練プログラム、託児付き職業訓練などを展開している。また、企業側にも育休復帰支援の計画づくりを促し、助成金などで後押ししている。
“自分らしく働く”を当たり前に
石破首相の神戸での発言は、単なる経済対策にとどまらず、「生き方の選択肢」を広げる社会をどう築くかというビジョンにも通じる。スキルアップを通じて、誰もが自信を持って働ける環境をつくること。それは、経済の活性化と同時に、少子化対策の鍵ともなりうる。
「一人ひとりが自分らしく働ける社会をつくる。そのために国がどこまで支えられるか、真剣に取り組んでいきたい」。石破首相のその言葉に、現場の期待が重なった一日となった。