2025-04-10 コメント投稿する ▼
【WFP支援4割減】USAIDが7億ドル削減、日本は2.6億ドル拠出も“場当たり対応”に課題
WFPの事務局次長は「もっとも脆弱な人々への支援を最優先に取り組んでいるが、いまや私たちは命を守る資金の崖っぷちに立たされている」と危機感をあらわにする。実際、アフガニスタン、イエメン、ソマリアなど複数の国で、支援が止まり、数百万人が飢餓に直面している。
なぜここまで深刻に?
背景には、アメリカの支援方針の急変がある。トランプ政権時代から続く「アメリカ・ファースト」の流れの中で、USAIDがWFPへの資金を削減。とくに人道支援が不可欠な地域への支援が停止されたことは、国際的な波紋を呼んでいる。WFP関係者はこれを「飢餓に苦しむ人々への死刑宣告だ」と厳しく批判している。
日本の対応は?
日本政府もWFPへの支援を続けている。2022年には約2億6,000万ドル(日本円で約360億円)を拠出した。外務省はこの拠出について「外交上の重要性も高く、世界の食料問題に日本として責任を果たすもの」と説明している。
ただ、その内実には課題もある。実際には、当初予算では必要な支援を十分に見込めず、突発的な紛争や自然災害への対応は補正予算でまかなう「場当たり的な対応」が目立つ。2023年度の行政事業レビューでも、「場当たり的に拠出を決めていないか」「拠出後の成果報告が不十分ではないか」といった懸念の声が出ている。
外務省側は、「適切な実施確認プロセスを踏んでいる」としつつ、「情報公開については、何ができるか検討していきたい」と答えるにとどまった。
いま、問われているのは持続可能性と透明性
WFPが今後数カ月で必要とする追加資金は、約24億9,000万ドル。食料危機が最も深刻な28の国と地域では、支援の中断が現実のものになりつつある。
日本を含む国際社会に求められているのは、単発的な「寄付」ではなく、戦略的かつ持続可能な支援体制の構築だ。資金だけでなく、支援の効果や到達状況を可視化し、国内外の理解と信頼を得ることが今後の鍵となる。