2025-04-08 コメント投稿する ▼
「日本に約束を守らせる」 トランプ派グラス氏、駐日大使に正式承認 貿易・防衛で厳しい交渉に備え
グラス氏はトランプ氏と近しい関係にあり、かつては駐ポルトガル大使としても任務を果たしてきた。今回は再び政権に復帰し、日本との貿易や安全保障をめぐる課題に取り組むことになる。日米間では自動車関税、在日米軍の駐留費負担、LNG輸入などをめぐる交渉が控えており、日本側にとっては容易ならざる相手となりそうだ。
トランプ政権の対日戦略、橋渡し役に期待と警戒
オレゴン州出身のグラス氏は、大学卒業後に証券会社を設立し、テクノロジーや不動産投資で成功を収めた実業家だ。2017年から2021年には駐ポルトガル大使を務め、中国による影響拡大への懸念を繰り返し表明するなど、トランプ政権の対中強硬路線を前面に出していた。
今回の駐日大使就任にあたっても、日本に対しては「同盟国としての責任を果たすように」と明確に要求。上院外交委員会の公聴会では、「日米関係は過去最高の水準にある」と持ち上げる一方で、「関税や貿易赤字の問題については厳しく交渉していく」と強い姿勢を示した。
「約束を守らせる」―LNG輸出合意にも言及
公聴会では2月に行われた日米首脳会談にも触れ、日本が米国からの液化天然ガス(LNG)輸入を拡大する方針を確認したことについて、「この約束を日本に守らせる」と発言。トランプ政権の「取引外交」を体現する人物として、日本に対する“要求リスト”を手に赴任してくる格好だ。
この発言を受け、日本政府関係者からは「交渉の窓口がトランプ氏の意向を色濃く反映することになる。慎重に対応しないといけない」と警戒の声も出ている。
米国側の期待、日本側の懸念
米国内では、グラス氏のようにトランプ氏とパイプを持つ人物が駐日大使を務めることで、日本との交渉を円滑に進められるとの期待もある。一方で、日本側としては「防衛費増額」や「自動車関税」など厳しい要求が突き付けられる可能性も高く、バランス感覚が問われる局面が続きそうだ。
また、米中対立が激化する中で、日本が経済・安全保障の両面でどこまで米国に歩調を合わせるかも、今後の焦点となる。
・グラス氏の着任で、トランプ政権下での日米交渉が加速する見通し
・防衛費増額や自動車関税、LNG輸入など厳しい要求が課題に
・日本政府はトランプ氏の「代理人」としての対応に慎重姿勢
・米中対立を背景に、日米同盟の在り方も問われる局面
日本政府にとっては、友好的な同盟国というより、ビジネスライクなパートナーとしての米国と向き合うことが求められる。グラス氏の着任によって、日米関係は新たなフェーズへと突入することになりそうだ。