2025-02-18 コメント投稿する ▼
政府、ワクチン開発加速に向けヒトチャレンジ試験導入を検討
この試験は、欧米ではコレラや腸チフスなどのワクチン開発で行われており、コロナ禍でも英国で実施された。しかし、倫理的な課題も指摘されており、慎重な検討が求められている。
ヒトチャレンジ試験の概要
ヒトチャレンジ試験は、健康な被験者に意図的に病原体を感染させ、病気の発症や病状の経過を観察する方法である。
これにより、ワクチンや治療薬の効果を迅速に確認できる可能性がある。例えば、COVID-19のワクチン開発において、英国では健康な成人を対象にSARS-CoV-2ウイルスを意図的に感染させる試験が行われ、ワクチンの効果を迅速に評価する手段として注目された。
日本における導入の必要性と課題
日本では、新型コロナウイルスに対する国産の薬やワクチンの承認が海外製より数年遅れた経緯がある。
国立感染症研究所の脇田隆字所長は、ワクチン開発の治験を国際水準に引き上げるため、ヒトチャレンジ試験の導入の必要性を主張している。
しかし、ヒトチャレンジ試験には倫理的な課題も存在する。
被験者に意図的に病原体を感染させることは、直感的には非倫理的に思えるかもしれないが、試験が一定の条件を満たす場合には倫理的に許容されるとの見解もある。
そのため、被験者の安全性を確保し、適切な倫理審査を行うことが重要である。
政府は、ヒトチャレンジ試験の導入に向けて、倫理的・法的・社会的な課題を検討し、適切なガイドラインを策定する必要がある。また、次のパンデミックに備え、国内でのワクチン開発体制の強化や、臨床試験に協力するボランティアの確保も重要な課題となる。これらの取り組みにより、迅速かつ効果的なワクチン開発が可能となり、将来の感染症対策に大いに貢献することが期待されている。