2025-02-19 コメント投稿する ▼
石破総理、高額療養費制度の見直し凍結を表明 患者負担増に配慮
石破総理、高額療養費制度の「多数回該当」見直し凍結を表明
石破茂総理は2月17日の衆議院予算委員会で、高額療養費制度の見直しについて、当初の方針を変更し、「年4回以上該当する患者の自己負担額の引き上げを凍結する」と表明した。これは、がん患者団体などから「自己負担が大幅に増えるのは困る」との声が上がっていたことを受けた対応だ。
見直し凍結の背景
- 高額療養費制度の見直し案では、長期間治療を受ける患者の負担が増える可能性があったため、がん患者団体などが強く反対していた。
- 1月31日の衆議院予算委員会で、石破総理は「一番苦しんでいる方々の声を聞かずに制度を決めていいとは思わない」と発言。福岡資麿厚生労働大臣に、当事者の声を踏まえた制度の検討を指示していた。
政府の対応
- 政府は、長期にわたる治療を続けている患者の負担が急に増えないようにするため、「多数回該当」の見直しを凍結することを決めた。これにより、直近12カ月間で3回以上制度の対象となった人は、4回目以降の自己負担上限額が引き下げられる従来の仕組みが維持される。
- ただし、高額療養費制度全体の見直しを凍結するわけではなく、制度の持続可能性を考えながら改革は進めていく方針だ。
石破総理の説明
- 17日の予算委員会で、石破総理は「高額療養費の総額が、医療費全体の伸びの2倍のスピードで増えている」と指摘。「もし見直しを全面的に凍結すれば、後期高齢者の保険料は年間約千円、現役世代では年間3千円から4200円程度上がることになる」と説明した。
- 健康保険組合では、月に1千万円以上の医療費がかかるケースが令和5年度で2千件以上あったことを挙げ、「後期高齢者や現役世代の負担を軽減しなければ、制度の維持は難しくなる」と理解を求めた。
今回の決定により、長期治療を受ける患者の負担増加は回避されたが、医療費の増大をどう支えていくかという課題は依然として残っている。今後も制度の持続可能性をめぐる議論が続くことになりそうだ。