2025-09-07 コメント投稿する ▼
石破茂首相が続投断念 解散カード封じられ孤立深まる自民党泥舟政権
首相は衆院解散をちらつかせることで延命を試みたが、「大義がない」と一蹴され、結局は退陣に追い込まれた。 7日の緊急記者会見で首相は「いろんな考えがあったことは否定しない」と述べ、衆院解散を検討していた事実を認めた。 しかし党内からは「大義なき解散」との反発が強く、旧石破派の田村憲久元厚労相は「反党行為になり、逆に総裁自身が処罰される」とまで批判した。
石破首相が続投断念 党内孤立と解散カード封じ込め
7月の参院選で自民党(自由民主党)が大敗した後も続投を表明していた石破茂首相(自民党総裁)が、ついに続投を断念した。党内は倒閣を狙う勢力とそれに反発する勢力に分裂。首相は衆院解散をちらつかせることで延命を試みたが、「大義がない」と一蹴され、結局は退陣に追い込まれた。
7日の緊急記者会見で首相は「いろんな考えがあったことは否定しない」と述べ、衆院解散を検討していた事実を認めた。参院選後の一時的な支持率上昇に自信を深めた首相は、過去の事例を調べ、国会閉会中の解散という異例の手法を模索した。しかし党内からは「大義なき解散」との反発が強く、旧石破派の田村憲久元厚労相は「反党行為になり、逆に総裁自身が処罰される」とまで批判した。
「大義なき解散で延命を図ろうとする姿勢に失望した」
「泥舟内での争いは国民にとって見苦しい」
「退陣の理由が日米交渉の前進とは、納得できない」
「結局は孤立し、説得されて降りるしかなかった」
「党を割らないためというより、自身の延命のために動いていたのでは」
側近以外に頼れる勢力なく
首相の周囲を支えてきたのは赤沢亮正経済再生担当相、岩屋毅外相、中谷元防衛相らごく限られた側近のみだった。党内で「石破降ろし」を封じる多数派工作を展開するだけの政治力は欠き、孤立は深まった。森山裕幹事長も「党の分断を避ける」として辞任を表明し、首相の基盤は大きく揺らいだ。
6日夜には公邸で菅義偉副総裁と小泉進次郎農水相から「自発的に退陣すべきだ」と説得された。かつて同じく党内基盤の弱さから再選を断念した経験を持つ菅氏の言葉は、石破首相にとって重く響いたとされる。
解散カード封じで万策尽きる
首相が最後に模索したのが「解散カード」だった。だが政権幹部からも「国民に説明できる大義がない」として支持を得られなかった。むしろ「党内の分断を拡大させる」との懸念が強まり、解散という切り札も封じ込められた。結果、首相は万策尽き、7日午後に側近らと協議した上で退陣を最終決断した。
退陣理由として首相は「日米関税交渉の前進」を挙げたが、米国で大統領令に署名された5日以降も決断を先延ばししたため、党内の亀裂をさらに深めた。結局、表明が遅れたことで「最後までリーダーシップを欠いた」との批判も残した。
泥舟政権と化した自民党の行方
今回の一連の経緯は、自民党政権がすでに「泥舟政権」と化していることを浮き彫りにした。首相の孤立は単なる一人の政治家の退陣にとどまらず、党内対立の構造を映し出している。参院選での大敗を受けても、国民の声より党内権力闘争を優先する姿勢は厳しく問われている。
衆院解散を「反党行為」とまで批判される中で、党内の覇権争いは混迷を極めた。泥舟の船長を交代したところで沈没を防げるのか、国民の視線は厳しさを増すばかりだ。