2025-08-10 コメント投稿する ▼
日中韓農相会合、7年ぶり開催 小泉進次郎農水相が韓国に水産物輸入解除を要請
日中韓農相会合、7年ぶり開催 小泉進次郎農水相、韓国に水産物輸入停止解除を要請
日中韓3カ国の農相会合が11日、韓国・仁川で開かれた。日本からは小泉進次郎農林水産相が出席し、新型コロナウイルス禍を挟んで7年ぶりとなる協議に臨んだ。会合では気候変動や農村地域の活性化といった共通課題について意見交換が行われ、空白期間の長かった3カ国間の農業協力の再構築が模索された。
今回の会合には、中国の韓俊農業農村相、韓国の宋美玲農林畜産食品相が参加。2018年11月の北京開催以来4回目となる会合は、相互の農業政策や課題を共有する貴重な場となった。
気候変動と農村活性化が主要議題
協議では、近年深刻化する気候変動への対応策が中心的な議題の一つとなった。異常気象が農作物の収穫や品質に与える影響は3カ国共通の課題であり、災害リスクの軽減や農業技術の革新に関する協力の必要性が確認された。また、人口減少や高齢化に直面する農村地域の活性化も重要テーマとして取り上げられ、若者の就農支援や地域ブランドの活用など、持続可能な農業のモデル構築について意見が交わされた。
「農村の持続可能性は3カ国共通の最重要課題だ」
「気候変動対策は国境を越えて連携が必要」
小泉農水相、韓国に輸入規制解除を要請
小泉氏は会合の合間に韓国の関係閣僚と個別会談を実施。韓国による日本産水産物の輸入停止措置について、科学的根拠に基づいた解除を強く求めた。韓国は東京電力福島第一原発事故後の2013年から一部水産物の輸入を禁止しており、日本側は安全性の検証結果や国際機関の評価を踏まえて再開を働きかけている。
小泉氏は「科学に基づく判断こそが消費者と市場の信頼を築く道」と強調し、漁業関係者や生産地の経済にとって重要な問題であることを訴えた。韓国側は自国の消費者保護の観点も踏まえつつ、協議を継続する姿勢を示したという。
「安全性が確認されている水産物は制限を外すべき」
「感情ではなく科学で判断してほしい」
協力関係の再構築と課題
日中韓の農業協力はこれまで、農業技術の共有、農産物貿易の円滑化、人材交流など幅広い分野で進められてきた。しかし、近年は新型コロナウイルスの影響や外交的摩擦もあり、閣僚級の協議が途絶えていた。7年ぶりの会合は、関係改善に向けた一歩であると同時に、政治・経済両面での課題が依然として多いことを浮き彫りにした。
小泉氏は閉会後、「気候変動や農村活性化といった課題は3カ国が協力すべきテーマだ。相互理解を深め、建設的な関係を築きたい」と述べ、継続的な対話の必要性を強調した。