2025-08-05 コメント投稿する ▼
小泉農水相「判断を見誤った」 コメ不足認め増産へ方針転換
小泉農水相「判断を見誤った」コメ不足を認め増産へ
政府は5日、コメの安定供給を議題とする関係閣僚会議を開き、石破茂首相や小泉進次郎農林水産相が出席した。会議では、農水省が立てた需要見通しと実際の需要に大きな乖離があったこと、さらに備蓄米の放出が遅れたことが、現在のコメ価格高騰の一因になったとの分析が示された。
小泉農水相は会議後、記者団に「人口減少などに伴い需要は減り続けるとの予測に基づきすぎた。本来は予断を持たず、リアルタイムで消費動向を把握すべきだったが、判断を見誤ってしまった」と説明。「こういった要因が価格高騰につながったのは間違いない」と認めた。
需要見通しとの乖離、その背景
農水省による分析では、需要予測のずれを招いた理由として、
▼玄米を精米した後に残る白米量の減少
▼訪日外国人による需要増
が挙げられた。結果として、2023年は40〜50万トン、2024年は20〜30万トンの供給不足が生じたという。
減反から増産へ方針転換
石破政権はこれまで減反政策の段階的縮小を進めてきたが、今回の不足を受けて方向転換を加速する。小泉農水相は「責任は重く受け止め、これを機にコメの増産へ舵を切る」と述べ、農家への支援や増産意欲を促す環境整備を急ぐ考えを示した。
「増産と言ってもすぐには反映されない」
「農家が安心して作付けできる補償が必要」
「一度減らした生産を戻すのは容易ではない」
「輸出需要も視野に入れるべき」
「備蓄米の運用を柔軟化すべきだ」
安定供給へ求められる政策パッケージ
今回の不足は、需要予測や備蓄米放出の運用体制が現状に即していなかったことを浮き彫りにした。専門家からは「観光客増加や嗜好の変化を考慮した需要予測モデルの見直しが必要」との指摘が出ている。
政府は今後、増産のための助成や機械化支援に加え、備蓄米の流通タイミングを見直す方針だ。増産による価格下落リスクを避けつつ、安定供給と価格安定をどう両立させるかが課題となる。