2025-06-09 コメント投稿する ▼
小泉進次郎農水相がコメ輸入の前倒しを示唆 価格高騰に「最大の効果を模索」 党内の慎重論には反論
コメ価格高騰に即応 小泉農水相が輸入前倒しに言及
コメ価格の高騰が続く中、小泉進次郎農林水産相は6月9日、ミニマムアクセス(MA)米のうち主食用として最大10万トンの枠について、「輸入時期の前倒しを含めて検討している」との考えを明らかにした。農水省で記者団の取材に応じ、「今の価格高騰に対して、最大の効果が発揮できるあり方を模索したい」と語った。
通常、MA米の主食用枠は9月に輸入されるのが慣例だが、小泉氏はこの時期にこだわらず、柔軟に対応すべきだと強調。事実上、早期輸入に踏み切る可能性を示唆した形だ。
背景には、備蓄米の放出が続いているにもかかわらず、価格高騰が収まらない現状がある。小泉氏は「価格の高騰を抑えるために必要なことはなんでもやる」と強い決意を繰り返した。
党内に慎重論も 小泉氏は「承知していない」と一蹴
自民党内では、米の輸入拡大について慎重な姿勢も見られる。党幹事長の森山裕氏は7日、盛岡市で開かれた党会合で「主食のコメを外国に頼ってはいけない」と述べ、輸入拡大案に釘を刺す発言をしていた。
しかし、小泉氏はこれに対して「党内で慎重論が出ているとは承知していない」と述べ、真っ向から反論。「あらゆる選択肢を排除せず、最も効果的な手段を取りたい」との姿勢を崩さなかった。
また、小泉氏は6日の閣議後会見でも、「ミニマムアクセス米に限らず、緊急輸入も含めてあらゆる選択肢を持っていたい」と発言しており、現時点で政府が制度的な聖域を設けていないことがうかがえる。
民間輸入も急増 「舵を切ったのは政府ではなく民間」
国会審議では、小泉氏が「政府が輸入に舵を切った」との指摘に対し、「舵を切っているのは民間であり、政府は事実としてそうした発言はしていない」と明確に否定している。
実際、今年に入って民間によるコメ輸入は急増しており、1年間で80倍にも膨らんでいる。小泉氏は「このまま価格が高騰し続ければ、国内棚にはますます外国産米が並ぶことになる」と警鐘を鳴らしている。
政府としては、国産米の安定供給を確保しつつ、民間市場の動向を注視しながら、価格安定のための選択肢を確保しておきたいというのが本音と見られる。
ネット上では「国産を守れ」vs「早く対応を」
小泉氏の発言に対しては、ネット上でも賛否が分かれている。輸入前倒しの姿勢を評価する声がある一方、国産農業への影響を懸念する意見も根強い。
「今のうちに輸入を前倒しするのは現実的。消費者を守るべき」
「米農家の努力を踏みにじるようなことはしてほしくない」
「備蓄米も足りないし、緊急対応はやむを得ない」
「日本の主食は日本で守れ!この姿勢を忘れるな」
「対応が遅れればさらに価格が上がる。動くなら今でしょ」
物価高に苦しむ消費者の立場と、国産農業を守るべきという政策の板挟みで、政府のかじ取りは極めて難しい局面に差し掛かっている。
今後の焦点は備蓄政策と輸入枠の活用方針
現在、政府は備蓄米の放出で価格抑制を試みているが、在庫に限界がある以上、次の一手が求められる。ミニマムアクセス米の早期活用や緊急輸入など、より踏み込んだ対応が求められるのは時間の問題だ。
小泉氏の発言は、政府の姿勢に柔軟性を持たせるものであり、農政の現場や市場に大きな影響を与える。今後の輸入時期や量の調整、さらには国産米農家への支援策など、総合的な議論が急がれる。