2025-06-09 コメント: 1件 ▼
「コメ輸入に舵を切った発言していない」小泉農水相が訂正を要求 立民・横沢氏と委員会で応酬
小泉農水相が“舵を切った”発言を強く否定
6月9日の参議院決算委員会で、コメの価格高騰を巡り立憲民主党の横沢高徳議員と小泉進次郎農林水産相との間で激しいやり取りが交わされた。焦点となったのは、横沢氏が「小泉農水相が『コメの輸入に舵を切る』と発言した」と紹介した点だ。これに対し小泉氏は、「舵を切ったという発言は一度もしていない」と強く反論し、繰り返し訂正を求めた。
小泉氏は「政府が輸入に舵を切ったという事実はない。舵を切っているのは民間だ」と明言し、政府の立場と民間の動きとを明確に区別した上で、「あらゆる選択肢を持ちながら価格高騰に対応する」と説明した。
「テレビ入りだから訂正を」中継中に圧力か
決算委員会はNHKで生中継されており、小泉氏は中継中に「今の時代、発言だけが切り取られて流れる。本当に困ったことになる」と述べ、横沢氏に「テレビ入りだから訂正を忘れずに」と念を押す場面もあった。
横沢氏は「舵を切ったという表現は訂正するが、輸入に言及したこと自体は事実だ」と応じ、最終的には「輸入は否定していない、あらゆる手段を検討すると会見で言及したということだ」と釈明した。
この応酬は、コメの価格高騰が国民生活に直結する深刻な問題であるにもかかわらず、言葉尻の訂正に時間が割かれたことで、国会の論点が“本筋”から外れていないかという疑問も呼んでいる。
石破首相は“政治の責任”に言及 農政の過去を総括
この日の委員会では石破茂首相も答弁に立ち、「政府として輸入に舵を切ったということはない」と小泉氏と同様の立場を示した。一方で、「私も含め、農政を担ってきた者すべての責任だ。農水相経験者として責任を痛感している」と述べ、政権の過去の農政への反省を表明した。
石破首相はあわせて、「主食の価格が2倍以上になるのは平時の事態ではない」として、政府による随意契約での備蓄米の放出など、即応的な対策の必要性にも言及。だが現時点で輸入を主導する方針はないと繰り返し、あくまで価格安定策の一環として多角的な手段を検討する姿勢を示した。
“揚げ足取り”か“言葉の正確性”か SNSでは評価分かれる
SNSではこの「舵を切った/切っていない」論争について、政策論とは別次元のやり取りとして冷ややかな視線も注がれている。特に、国民生活が直撃されている最中の応酬に対し、疑問の声も多い。
「コメが高くて困ってるのに、舵を切ったかどうかで国会が止まってるの本当に情けない」
「小泉さん、メディア映りすごい気にしてるな。そこじゃない」
「言葉の訂正も大事だけど、肝心の価格対策はどうなってるの?」
「横沢さんももう少し丁寧な言い方をすればよかった」
「“舵を切った”が政府主導か民間かって、そんなことで論争してる場合か?」
与野党の攻防は国会運営の一部として不可避とはいえ、コメの価格高騰が一般家庭の食卓に直接影響を与えている以上、政策の中身をめぐる建設的な議論こそが求められている。