2025-06-04 コメント投稿する ▼
政府、備蓄米を酒造・加工業向けに放出へ 原料不足に対応し1万トン販売計画
酒造・加工業者への支援で備蓄米活用へ
小泉進次郎農林水産大臣は6月4日、政府が保有する備蓄米を酒造や食品加工業者向けに放出する方向で調整していると表明した。昨今、主食用として米の転用が進んだ影響で、加工用の原料米が手に入りにくくなっているという業界の声に応えた形だ。政府は令和2年産の備蓄米を対象に、順次販売を進めていく方針を示している。
主食用転用の影響で加工米が不足
米の需要構造が変化しつつあるなか、主食用米が市場で多くを占めるようになり、加工用や酒造用の米が圧迫されている。とくに日本酒業界からは「醸造に適した原料が確保できない」といった深刻な訴えが上がっており、今回の備蓄米放出はそうした現場の実情に対応したものである。農林水産省の資料によれば、販売対象は「令和2年産の政府備蓄米(水稲うるち玄米)」で、販売方式は随意契約となる。
今後の展開と政策意図
政府は今回、1万トン規模で備蓄米の放出を予定しているが、その購入対象となるのは令和7年産の加工用米の買い付けを希望する業者に限られる。つまり、単なる在庫処分ではなく、今後の農業政策との一体化を図る狙いがある。小泉農相は「中小規模の業者にとって原料確保は死活問題」として、継続的な支援の必要性にも触れている。
また、今後も加工用米の需給バランスが崩れるようであれば、備蓄米の追加放出も検討されるとのこと。今後は地域の酒造組合や食品加工業界からの声を吸い上げながら、制度の柔軟な運用が求められるだろう。
ネット上の反応もさまざま
SNS上では今回の備蓄米放出に対して、多くの意見が投稿されている。
「酒造りに必要な米が足りないのは深刻。政府の対応は評価できる。」
「主食用ばかり優遇してたからこうなる。バランスを考えろよ。」
「備蓄米の品質って大丈夫なの?5年前の米だよね?」
「中小企業にとっては本当にありがたい支援。もっと続けてほしい。」
「日本酒文化を守るって言うなら、こういう支援が必要不可欠。」
政策に対して一定の評価がある一方、品質面や遅すぎる対応への懸念も見られる。
* 備蓄米を酒造・加工業者向けに放出へ。対象は令和2年産のうるち玄米。
* 主食用転用による加工米不足への対応。随意契約方式で販売予定。
* 販売対象は令和7年産加工米の購入希望者に限定。1万トン規模。
* 今後の需給次第で追加放出の可能性も示唆。
今回の措置は、原料不足にあえぐ業界への応急手当であると同時に、政府備蓄米の有効活用という観点からも注目されている。農政の柔軟性が問われる今、現場の声をしっかり受け止めたうえで、持続可能な米需給体制をどう構築していくかが問われている。