2025-05-26 コメント投稿する ▼
小泉進次郎農水相が備蓄米価格を公表 5kg2160円目安で暴利牽制も狙う新方針
小泉農水相が備蓄米の売渡価格を公表 流通業者への“暴利牽制”も
小泉進次郎農林水産大臣は5月26日、政府が保有する備蓄米を随意契約で放出する際の価格を明らかにした。農水省の公式ホームページでは詳細が掲載され、業者が不当に価格を吊り上げることをけん制する意図も見て取れる。
発表された売渡価格は、60kgあたり税抜10,700円(税込11,556円)で、令和4年産米は10,010円、令和3年産米は10,080円となっている。こうした価格設定は過去の入札結果と比べて大幅に安く、政府が米価高騰に歯止めをかけようとしている姿勢が鮮明になった。
「5kgで2160円」が目安 小売価格にも言及
今回の公表では、流通業者が設定する小売価格の目安にも踏み込んでおり、一般的なマージンを考慮した場合、消費者が店頭で購入する際の価格は「5kgあたりおよそ2,160円(税込)」と見積もられている。昨年同時期の相対取引の実績をもとに算出したもので、過剰な利益の上乗せを防ぐ狙いがある。
さらに、これまでのように売渡し後に「買戻し」を求めるルールも今回は適用しない方針で、民間業者にとってはより柔軟に取り扱いやすい形となった。
価格高騰に対抗する“新方式”の一環
農水省が新たに採用したこの放出方式は、価格高騰に悩む消費者の負担を軽くしようとする動きの一環だ。スーパーで販売される際の価格まで念頭に置いた形での価格設定は、異例とも言える。農水省関係者によれば、「高値で販売されると意味がない。適正な流通価格を明示することで抑止効果を期待している」としている。
消費者・ネットユーザーの声も多様
SNSなどでは今回の発表に対するさまざまな声が上がっている。消費者の期待と不安が交錯する中、発表内容の具体性に一定の評価が集まる一方で、実際の小売価格への反映については懐疑的な意見も見られる。
「2000円台の米がまた買えるなら助かるけど、店頭でその値段になるか心配」
「卸業者が中抜きして高く売られたら意味ないでしょ」
「政府がここまで細かく出してくれたのは珍しいと思う」
「質は大丈夫なの?ブレンド米とかだったらいやだな」
「物価高が続く中でこういう支援策はありがたい。実現してほしい」
こうした声からも、今回の方針が単なる価格発表にとどまらず、政府の意思表示として一定の注目を集めていることが分かる。
今後の課題と注視される市場の動き
今後の焦点は、農水省が示した目安価格がどこまで実際の店頭価格に反映されるかにある。これまで政府備蓄米はオークション形式の入札によって高値がつくことも多く、今回の“公定価格的”提示が市場にどう影響するかは未知数だ。
また、農家サイドからは「過剰な価格抑制は生産意欲を損なう」との懸念も上がっており、消費者保護と生産支援のバランスも今後の重要な論点となるだろう。
政府は米価安定の切り札として今回の売渡しを位置づけており、6月初旬には実際にスーパーでの販売が始まる予定だ。国民生活に直結する“お米の値段”を巡る政策が、現場でどこまで機能するか注目される。