2025-05-23 コメント投稿する ▼
「備蓄米が届かない」ヤマタネが苦境訴え 台湾米拡大へ舵、政府対応に不満も
備蓄米の供給に遅れ、卸業者ヤマタネが明かす現場の実態
コメ卸最大手のヤマタネが5月23日に開いた業績説明会で、政府が市場安定策として放出した備蓄米が「まだ半分ほどしか届いていない」と明かした。記者会見に臨んだ河原田岩夫社長によれば、全国農業協同組合連合会(JA全農)からの配送が遅れており、「届いた分から順にパッケージ化し、販売ルートに載せている」と説明した。
政府は価格高騰への対策として備蓄米を2000円台で消費者に届ける方針を打ち出したが、現場ではスムーズな供給ができていない状況が続いている。ヤマタネは小泉進次郎農林水産相の発言に触れつつも、「コメの市場は非常に不安定で、先を読むのが難しい」と警戒感を示した。
販売目標は減少傾向、営業利益にも影響
ヤマタネはこれまで年間10万トンの販売目標を掲げてきたが、今年度は7万トンを下回る見通しだ。前年と同水準にとどまるとして、「これが限界」と述べた。また、食品事業全体としても収益の減少が避けられないとし、特に今年10月以降の下期は厳しい状況が予想されているという。
「価格転嫁が難しく、原料費の上昇分を吸収しきれない」と語る河原田社長のコメントからは、卸業者としての苦悩がにじむ。物価高の波がコメ業界にも押し寄せている実態が浮き彫りとなった。
台湾米の仕入れ拡大、海外調達が本格化へ
コメの国内供給に不安が残るなか、ヤマタネはすでに台湾米を西友向けに供給しており、今後はそのルートをさらに拡充する方針だ。「海外からの安定調達体制を築かなければならない」と述べ、今後は国内産にこだわらず、需要に応じた柔軟な対応を取る構えだ。
政府による備蓄米の放出が間に合わない場合、こうした海外産米が今後さらに市場で存在感を増す可能性がある。ただし、品質や消費者の受け入れ方次第では課題も残る。
消費者の混乱とネット上の反応
この備蓄米の流通停滞や台湾米拡大の動きについて、ネット上でもさまざまな声が上がっている。
「備蓄米が半分も届いてないとか、やっぱり政府の段取りが甘いよな」
「台湾米ってそんなに味違うのかな?スーパーで見かけても手に取りづらい」
「農家を守るって言いながら海外米に頼るって矛盾してる気がする」
「物価は上がるし、米も足りないし、庶民には二重苦だわ」
「輸入米でもいいから安く安定して買えるようにしてほしい」
政府の方針と現場の実情が噛み合っていないとの指摘も多く、国民の間には不安と疑念が広がっている。
まとめ
* ヤマタネが備蓄米の供給遅れを公表。「まだ半分届かず」と明言
* コメ販売量は従来より大幅減の見通し。営業利益も2割以上落ち込む可能性
* 台湾米の取扱を増やし、海外ルートの強化に動く
* 政府の備蓄米価格対策にも「効果不透明」との声が広がる