2025-05-23 コメント投稿する ▼
「魑魅魍魎の米改革」進次郎農水相にのしかかる自民党農林族と買い占め業者の壁
コメ改革に挑む小泉進次郎氏、複雑な利権構造との闘い始まる
小泉進次郎氏が新たに農林水産大臣として就任した背景には、前任の失言による更迭という異例の事情がある。問題の発端は、江藤拓前農水相が地元の講演会で「コメは買ったことがない」と述べたことにある。この発言が「コメを軽視している」と受け止められ、農家からの反発を招いた。
政権を率いる石破茂首相は当初、江藤氏の続投を模索したが、野党の不信任案提出の動きと、世論の反発の高まりを前に、早々に更迭を決断。急きょ後任に白羽の矢が立ったのが進次郎氏だった。
進次郎氏の過去と現在 再挑戦の舞台へ
進次郎氏には、かつて自民党農林部会長としてJA全農に対する改革に取り組んだ経験がある。しかしその際は、強固な抵抗に遭い、途中で頓挫してしまった経緯がある。今回の就任は、その“雪辱戦”とも言える。
実は、石破首相自身も過去に農水相を務め、農政改革を試みたが、政局に翻弄される形で道半ばに終わっている。そうした背景もあってか、進次郎氏に託す思いは強かったと見られる。
農業利権の根深さと、コメ市場の特殊性
コメ業界は長年にわたって政治家や業者の複雑な利害が絡み合う、まさに「魑魅魍魎の世界」と言われる。特に自民党内の農林族と呼ばれる議員らは、長らく業界と密接な関係を築き、利権を守ってきた。
進次郎氏の登用を巡っては、「失敗すれば責任を押しつけられる」という冷ややかな見方もある。党幹部の一人は「進次郎を起用して、結果が出なければ切り捨てればいい。改革の名を借りた“人身御供”ではないか」と本音を漏らしているという。
また、コメ価格の調整は容易ではない。例えば、全国の家庭が少しずつ多くコメを買いだめするだけで需給バランスが一気に崩れるうえ、問屋による買い占めも無視できない要因だ。単に農協改革をすれば済むような単純な構図ではない。
参院選まで残された時間と成果へのプレッシャー
進次郎氏に与えられた時間はわずか2カ月。夏の参院選までに具体的な成果を出さなければ、自民党が農家からの支持を失う可能性すらある。農家は保守層の中でも重要な支持基盤であり、その動向が地方選の結果に直結する。
一方で、もし進次郎氏がコメの価格安定や消費者負担の軽減に成功すれば、その実績は将来の政界での飛躍につながる。石破首相にとっても、進次郎氏の成功は党内基盤を補完する意味で重要だ。石破首相には党内に親しい派閥が少なく、もし退陣の局面を迎えたときに「次は小泉で」という流れが生まれる可能性もある。
ネットの声:期待と懐疑の狭間で
「進次郎さんが本当に改革できるのか、注目しています」
「コメ改革?またパフォーマンスで終わるんじゃ…」
「業界の闇に切り込めたら本物。でも現実は厳しそう」
「JAにまた負けるんじゃないかと不安」
「参院選対策の人選なら、国民をバカにしてる」
進次郎氏が改革の旗を振るその背後には、政治的思惑と選挙戦略が渦巻く。「改革の担い手」か、それとも「犠牲の象徴」か――今後の数週間が、その評価を大きく左右することになる。