防衛省「太平洋防衛構想室」新設、小泉進次郎防衛相が認めた太平洋の「空白」解消へ

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防衛省「太平洋防衛構想室」新設、小泉進次郎防衛相が認めた太平洋の「空白」解消へ

防衛省は2026年4月1日付で、整備計画局内に10人態勢の「太平洋防衛構想室」を新設しました。 加えて、「山東」から発艦した艦載戦闘機が海上自衛隊のP3C哨戒機に約45メートルまで異常接近する危険な行為もありました。 北大東島(沖縄県北大東村、沖縄本島の東方約360キロ)への航空自衛隊の移動式警戒管制レーダー配備も加速する見通しで、隊員約30人が常駐する計画が村側に伝えられています。

中国が太平洋での軍事活動を急速に拡大させる中、日本政府はその対応に本格的に乗り出しました。防衛省は2026年4月1日付で、整備計画局内に10人態勢の「太平洋防衛構想室」を新設しました。安全保障関連3文書(国家安全保障戦略・国家防衛戦略・防衛力整備計画)の年内改定に向け、太平洋の防衛体制強化を横断的に検討する専担組織です。

「広大な空白」を告白した防衛相の硫黄島視察


小泉進次郎防衛相は先月28日、東京都小笠原村の硫黄島で開かれた日米合同慰霊式に出席し、あわせて島内を視察しました。その際、記者団に対して「太平洋側の広大な海空域における防衛体制の強化は喫緊の課題だ」と強調。「現時点で必ずしも十分ではなく、広大な部分が空白状態になっている」と、太平洋防衛の現実を率直に認めました。

日本の警戒監視網はこれまで、北朝鮮のミサイル脅威と中国の東シナ海進出に対処するため、日本海側と南西諸島方面に重点を置いてきました。太平洋上には上空を常時監視するレーダーがなく、配備部隊もごくわずかというのが実情です。小泉氏はシーレーン(海上交通路)の防衛強化を訴え、「わが国の社会経済活動の基盤を守り抜く」と語りました。

「太平洋が空白だったとは。防衛の専門家でも知らなかった人が多いのでは。遅すぎる対応だ」

中国空母2隻の同時展開が転換点に


この問題が一気に表面化したきっかけが、2025年6月の衝撃的な出来事でした。防衛省は同年6月7日から9日にかけて、中国海軍の空母「遼寧」が南鳥島周辺の日本の排他的経済水域(EEZ)内で活動し、初めて小笠原諸島とグアムを結ぶ「第2列島線」を越えたことを公表しました。さらに、空母「山東」も同時期に太平洋で活動しており、中国が運用中の全空母2隻が太平洋上で同時に確認されたのも初めての事態でした。

「第2列島線」とは、伊豆諸島・硫黄島・小笠原諸島からグアムを結ぶラインで、台湾有事の際に中国が米軍の接近を阻止する防衛戦略ラインの一つと位置付けているとされます。加えて、「山東」から発艦した艦載戦闘機が海上自衛隊のP3C哨戒機に約45メートルまで異常接近する危険な行為もありました。中国はこれを「国際法に完全に合致している」と主張しましたが、日本政府は中国側に申し入れを行っています。

「45メートルまで接近って、もはや威嚇だろ。これで問題ないとか中国の感覚が信じられない」

硫黄島・南鳥島・北大東島の三点強化策


こうした事態を踏まえ、防衛省が具体的に強化を検討しているのが3つの拠点です。

東京都心から約1250キロ南の硫黄島は現在、海上自衛隊約290人と航空自衛隊約110人が常駐しています。大型船が接岸可能な桟橋設置や、戦闘機の運用を見据えた滑走路の整備などが検討されており、防衛省は調査に着手する構えです。

硫黄島の東方に位置する南鳥島は、日本最東端の島で地対艦ミサイル射撃訓練場の整備が既に進行中です。レーダーの設置や滑走路の拡張も検討されており、日米両政府は首脳会談に合わせて周辺海域のレアアース(希土類)開発に関する文書も交わしています。安全保障と資源開発を両立させる戦略的拠点として注目されています。

北大東島(沖縄県北大東村、沖縄本島の東方約360キロ)への航空自衛隊の移動式警戒管制レーダー配備も加速する見通しで、隊員約30人が常駐する計画が村側に伝えられています。

「南鳥島のレアアース開発と防衛拠点整備が同時に進むのか。日本にとって重要な一石二鳥だと思う」

同盟・同志国との協力なしに太平洋は守れない


ただし、太平洋は広大な海域であり、拠点となる陸地が圧倒的に少ない。日本単独でカバーすることには限界があります。自衛隊関係者は「米国やオーストラリア、フィリピンなど同盟・同志国の警戒監視能力を重ね合わせて抑止力を機能させるしかない」と語っています。

高市早苗首相が公約に掲げた安保3文書の年内改定では、こうした多国間の連携強化と、太平洋での自衛隊の体制拡充をどう具体的に盛り込むかが焦点となります。「空白」を埋める取り組みは始まったばかりです。課題は広大な太平洋を実効的に監視・対処できる体制を、限られた予算と人員の中でどう構築するかにあります。

「同盟国との協力は当然として、自分たちでできることをしっかりやらないと抑止力にならない」

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まとめ
  • 防衛省が2026年4月1日付で整備計画局内に「太平洋防衛構想室」(10人態勢)を新設
  • 小泉進次郎防衛相は硫黄島視察で「太平洋の広大な部分が空白状態」と公式に認めた
  • 2025年6月、中国空母「遼寧」が第2列島線を初越え、「山東」と太平洋で初の同時展開を確認
  • 「山東」艦載機が海自P3C哨戒機に約45メートルまで異常接近する事案も発生
  • 硫黄島:桟橋設置・滑走路整備を検討、現在は海自290人・空自110人が常駐
  • 南鳥島:地対艦ミサイル訓練場整備進行中、レーダー・滑走路拡張案も、日米がレアアース開発文書を交換
  • 北大東島:航空自衛隊の移動式レーダー配備加速、隊員30人常駐計画を村側に伝達
  • 太平洋の広大な海域をカバーするため、米国・オーストラリア・フィリピン等との連携が不可欠

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2026-04-06 09:28:33(植村)

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