2025-05-20 コメント: 1件 ▼
備蓄米の小売店流通はわずか1割どまり 政府放出も届かぬ支援に不満の声広がる
備蓄米の店頭流通はわずか1割 「届かない米」に不満の声
政府が放出した備蓄米が、肝心の消費者の手元まで行き届いていない。農林水産省によると、3月に行われた備蓄米の売り渡し2回分、合計約21万トンのうち、実際に小売店や飲食事業者に渡ったのは4月末時点で約2万2000トン。割合にして、全体の1割程度にとどまっている。
供給の仕組みとボトルネック
政府は、コメ価格の安定と消費者支援のために備蓄米を市場に供給する制度を運用している。今回放出された米は、まず集荷業者が落札し、そこから卸売業者を経て小売業者や外食業者に流れる仕組みだ。だが、その途中で流通が滞っている。
たとえば、集荷業者から卸売業者に流れたのは3万4000トン以上あったが、そこから小売業者に渡ったのは、わずか63トンだったという。店頭で見かける機会がほとんどないという声が多いのも、数字から見て納得できる。
価格と現場のギャップ
米の価格はじわじわと上昇している。特に今年の春以降、業者間の取引価格が上がっており、家庭の食卓を直撃している。一方、政府が備蓄米として放出したコメは比較的安価で、外食・中食向けには60キロあたり約3万500円、小売向けでも3万4500円ほどとされる。
にもかかわらず、なぜそれが庶民の手に届かないのか。物流や業者の販売意欲、買い戻し制度の仕組みなど、いくつもの要因が重なっているとみられる。
現場の声とネットの反応
SNS上でも、こうした現状に疑問や不満の声が相次いでいる。
「なんで備蓄米が市場に出てこないんだ?意味ないじゃん」
「高い米しか売ってない。備蓄米ってどこで買えるの?」
「農水省の仕組みが分かりづらすぎる。透明性を持って説明して」
「放出してますって言うけど、店に並ばなきゃ意味ない」
「米価対策なら、本気で流通させてほしい」
一部では、卸売業者が小売に回すのを敬遠しているとの見方もあり、政府による実効性のある支援が求められている。
生活者支援に向けた次の一手は
農林水産省は今後、より確実に消費者に届くような流通の改善策を検討する必要がある。現在の「買戻し付き売渡し」は、余った米を政府が再び買い取る仕組みで、業者にとっては保険のような制度だが、これが販売先を限っている可能性もある。
生活者にとっては、価格の安定とともに「実際に買えるかどうか」が何より大切だ。家庭の食卓を支えるためには、仕組みの見直しとともに、現場の声に寄り添った柔軟な政策対応が求められている。