2025-04-22 コメント投稿する ▼
農相、コメ輸入拡大に懸念 「主食を海外に頼るのは国益か」国内農業の将来に警鐘
農相、コメ輸入拡大に懸念 農家の意欲減退、生産減少の恐れ
江藤拓農林水産大臣は4月22日の閣議後記者会見で、日米関税交渉における米国産コメの輸入枠拡大について懸念を示した。農家の生産意欲が減退し、国内生産量が大幅に減少する恐れがあると指摘し、「主食を海外に頼ることが国益なのか、国民全体として考えていただきたい」と述べた。
米国の要求と国内の動き
米国側は、日本政府が管理する無関税のコメ輸入枠制度や、枠外での輸入にかかる高関税を問題視している。現在、日本は主食用のコメに対し、「ミニマムアクセス」として年間10万トンの無関税枠を設けており、その枠外の輸入には1キロあたり341円の関税が課されている。昨年度の無関税枠のうち米国産が約60%を占めている。
国内でもコメ価格高騰を受け、輸入拡大を求める声が出始めている。財務省の財政制度等審議会の分科会も15日、主食用の枠を拡大するなど輸入米の活用を進めるべきだと提言した。
農相の懸念と政府の対応
江藤氏は、米国側から受けた農林水産品に関する具体的な要求内容については回答を控えた。ただし、要求によっては日米貿易協定の見直しに踏み込む可能性があるため、「政府としてどう判断するかは極めて厳しい」と述べた。
また、江藤氏は、米の価格高騰についても言及し、備蓄米の放出などで価格の安定を図るとともに、農家の生産意欲を維持するための対策が必要であるとの認識を示した。
今後の展望
日米間の関税交渉は今後も続く見通しであり、コメの輸入枠拡大が焦点となる可能性が高い。国内の農業保護と国際的な貿易ルールのバランスをどう取るかが問われている。政府は、農家の意見を踏まえつつ、慎重に対応を進める方針だ。
- 江藤農相がコメ輸入枠拡大に懸念を表明。
- 米国は日本の高関税と輸入枠制度を問題視。
- 国内でもコメ価格高騰を受け、輸入拡大の声が上がる。
- 政府は農家の生産意欲維持と価格安定を図る対策を検討。