2025-03-18 コメント: 1件 ▼
備蓄米放出開始、コメ価格安定に向けた期待と課題
備蓄米の引き渡しの様子
引き渡しは、埼玉県内の倉庫からスタートしました。18日午前、JA全農が落札した2024年産コシヒカリ12トンがフォークリフトを使ってトラックに積まれ、輸送準備が進んでいました。米はその後、同県内の工場で精米され、袋詰めされる予定です。この精米作業が終われば、卸売業者を通じて店舗に出回ることになります。
また、JA全農は、流通に混乱が生じないようにするため、卸売業者に「備蓄米」とは表示せず、通常の米として販売するように求めています。消費者には、備蓄米がスーパーに並ぶまで少し時間がかかることを理解してもらう必要がありそうです。
コメ価格は依然として高止まり
農林水産省によると、今月9日までの1週間で全国のスーパーのコメの平均価格は5キロあたり4077円と、依然として高止まりしている状況です。これは、政府の備蓄米放出が発表された後も価格上昇が続いていることを示しています。江藤拓農林水産大臣は18日の閣議後の会見で、「消費者にはご迷惑をおかけしているが、引き渡しが始まったばかりで、価格に反映されるまで少し時間が必要だ」と話しました。
さらに、江藤大臣は今週中に追加で7万トンを放出すると発表し、「流通が正常化し、価格が安定することを期待している」と述べました。2回目の放出により、流通の改善や価格安定が進むことを期待しているようです。
専門家の見解と今後の展望
ただし、経済の専門家たちは、備蓄米の放出だけでは米市場の安定には限界があるとの見方も示しています。日本では米の消費量が減少しており、さらに訪日外国人による需要の増加などが重なり、供給が追いつかない状況が続いています。こうした要因がコメ価格を押し上げており、放出だけでは根本的な解決にはならないと指摘する声もあります。
- 政府の備蓄米放出:
15万トンを市場に放出し、コメの供給を安定させる狙い。引き渡しが18日から開始され、来週以降に店頭に並ぶ。
- コメの価格:
放出発表後も価格は依然として上昇中。消費者には効果が現れるまで時間がかかることを理解してほしい。
- 今後の展望:
追加の7万トンの放出が予定されており、流通の正常化と価格安定に向けた期待が高まる。
- 専門家の見解:
放出だけでは根本的な解決には限界があり、消費動向や需要増加など、他の要因も影響している。