2025-02-14 コメント投稿する ▼
政府、備蓄米21万トンを市場放出へ 価格高騰と流通停滞に対応
備蓄米放出の詳細
放出量と時期:初回は15万トンを入札で売り渡し、2回目以降の量は流通状況を踏まえて決定する。
対象米:令和6年産米を中心に、5年産米も含まれる。
買い戻し条件:売り渡した集荷業者から、原則として1年以内に同量を政府が買い戻すことで、長期的な価格への影響を抑える。
コメ価格高騰の背景
近年、コメの価格は上昇傾向にある。主な要因として以下が挙げられる。
供給不足:猛暑などの異常気象により、生産量が減少。2023年の収穫量は661万トンで、前年より減少している。
需要増加:小麦価格の上昇やインバウンド需要の回復により、米の消費が増加。特に、パンから米への消費シフトが見られる。
流通の滞り:JAなどの集荷業者が農家からの買い集めを減らし、供給に滞りが生じている。昨年、集荷量は前年を21万トン下回った。
政府の対応と期待
政府は、備蓄米の放出により、流通の滞りを解消し、価格の安定を図る。林官房長官は「生産量が前年より多いにもかかわらず、大規模な集荷業者にコメが集まっていないことなどによって、供給に滞りが生じている。今回の措置によりコメの流通の目詰まりが解消し、上昇した価格が落ち着くことを期待している」と述べた。
江藤農林水産大臣も「上昇した価格が落ち着くことは当然期待している。市場が正常化することを願っている。今回の備蓄米の売り渡しがコメの流通の円滑化や国民生活の安定に資するよう迅速に手続きを進めていく」と強調した。
今後、備蓄米の放出がコメの流通と価格の安定につながるかが注目される。