2026-03-10 コメント投稿する ▼
中道改革連合と国民民主党が赤字国債法案に対案、1年限定で財政規律重視を主張
中道改革連合と国民民主党は2026年3月10日、赤字国債の発行を2026年度に限り認める特例公債法案を衆議院に共同で提出しました。現行法の期限が3月末に切れるため、政府は2026年度から2030年度までの5年間にわたり赤字国債発行を可能にする法案を提出していますが、両党はそれへの対案と位置付けています。
1年限定の赤字国債発行を主張
政府は2026年1月の通常国会に、2026年度から2030年度までの5年間、赤字国債の発行を認める特例公債法案を提出しました。現行法は2021年に成立したもので、2021年度から2025年度までの5年間の発行を認めており、2026年3月末で期限切れを迎えます。
「また5年も赤字国債を発行し続けるのか。財政規律がどんどん緩むばかりだ」
しかし、中道改革連合と国民民主党は、複数年度にわたる赤字国債発行を認めることは財政規律を緩めるとして反対の立場を示してきました。両党が共同提出した対案は、赤字国債の発行を2026年度の1年間に限定するものです。政府が提案する5年間の発行期間とは大きく異なり、財政健全化への姿勢を鮮明にしています。
財政法は原則として、歳入の不足を埋めるための赤字国債の発行を禁じています。発行には特例で認める法律が必要になるため、政府は特例公債法を制定してきました。かつては毎年度1年限りで認める法律を成立させていましたが、2012年度の法案審議が大幅に遅れたことを受け、複数年度化が導入されました。
財政規律の緩みに警鐘
2012年当時は民主党政権下のねじれ国会の最中で、特例公債法案の成立が大幅に遅れました。法案が不成立のままでは歳入予算に計上した特例公債金が使用できず、予算執行の抑制を余儀なくされました。地方交付税の交付が先送りされるなど、国民生活や経済に悪影響が出始めたため、11月になってようやく成立しました。
「毎年審議するのは手間だけど、それが財政規律を守るために必要だと思う」
この経験を踏まえ、2012年度から2015年度までの4年間の発行を認める法改正が行われました。その後、2016年には5年間に延長され、2021年にも同じく5年間の延長が認められました。しかし、当初は財政健全化目標が明記されていたものの、改正を重ねるごとに目標が曖昧になり、財政規律が緩んでいると指摘されています。
中道改革連合の公約では「税金の無駄遣いをなくし、国の基金のルール見直しによる賢い財政で円安によるインフレから家計と中小企業を守る」と掲げています。国民民主党も財政の健全化を重視しており、両党は複数年度の発行期間が財政規律を失わせる要因になっていると批判しています。
政府は2026年度予算の執行に影響と懸念
政府は2026年度予算案で一般会計総額を過去最大の122兆円台で調整しています。歳入の約2割を赤字国債に頼る構造が続いており、特例公債法が成立しなければ予算執行に深刻な影響が出る恐れがあります。
「赤字国債なしでは予算が組めない国になってしまった。情けない」
2026年度予算案における赤字国債の発行額は約28兆円と見込まれています。法案が成立しなければ、建設国債対象経費以外の財源が大幅に不足し、予算の執行が滞る可能性があります。金融市場の混乱を招く懸念もあり、政府は法案の早期成立を目指しています。
特例公債法の複数年度化は、ねじれ国会の影響で法案成立が困難化した事態を重く見て導入されたものです。しかし、専門家の間では5年間という期間が長すぎるとの指摘もあります。選挙のサイクルと比較すると、財政規律が緩んだまま次の5年に移行してしまい、財政健全化のタイミングを逸してしまう可能性があるとされています。
2026年2月の衆院選で中道は惨敗
中道改革連合は、2026年2月8日投開票の第51回衆院選で、公示前の172議席から49議席へと大幅に議席を減らす惨敗を喫しました。立憲民主党と公明党が結党した新党でしたが、有権者に十分に浸透せず、旧民主党時代から重要ポストを歴任したベテラン議員も複数落選しました。
一方、自民党は単独で定数の3分の2を超える316議席を獲得する歴史的大勝となりました。日本維新の会と合わせると352議席の巨大与党となり、国会運営で圧倒的な数的優位を確保しています。この結果、中道改革連合と国民民主党が提出した対案が可決される可能性は極めて低い状況です。
政府提出の特例公債法案は、自民党と維新の賛成多数で成立する見通しです。ただし、中道改革連合と国民民主党の対案提出により、財政規律に対する問題提起がなされた形となりました。