2025-08-06 コメント投稿する ▼
【日米関税交渉の裏側】文書化なしで“合意優先”した日本政府に不信拡大 赤沢担当相と米商務長官が協議も内容非公開で波紋
赤沢担当相が日米関税交渉で米側に即時実施を要求
合意優先が裏目に?“秘密交渉”で広がる不信と混乱ワシントンを訪問中の赤沢亮正経済再生担当相は8月6日、ラトニック米商務長官と約90分にわたって会談を行い、日米間で合意されたとされる関税措置の「即時実施」を求めた。会談は、米国の相互関税方針を巡って両国の見解が大きく食い違っている中で行われた。
“15%関税”を巡る重大な食い違い
日本政府は、トランプ政権が掲げる「相互関税」政策において、既存関税が15%未満の品目は一律15%、それ以上の品目には上乗せしないことで「合意済み」と説明している。
一方、ホワイトハウスの高官は「既存の関税に15%を上乗せする」と公に説明しており、日本側の説明と真っ向から矛盾している。
特に日本車への関税は、日本政府は「追加分を半減して全体で15%にする」と主張してきたが、米側は「15%を上乗せする」としており、関税引き下げどころか、実質的な増税の可能性すらある。
文書化せず“合意優先”が裏目に
この合意には正式な文書が存在しておらず、石破首相は「文書を作れば発効が遅れると恐れた」と説明。外交成果を参院選前にアピールしたかった政権の思惑がにじむ。
しかし結果的に、合意内容が不透明なままでは、現場の企業が対応できず不安を抱えることになった。
「文書もなく、公表もされていない“合意”が本当に存在するのか?」
「企業側は、実際の関税がどうなるのか分からず、対応のしようがない」
「合意を急ぐあまり国益と透明性が犠牲にされた」
こうした声は、自動車業界をはじめとする輸出関連産業で広がっている。
繰り返される“秘密交渉”に疑念の声
さらに深刻なのは、「どのような交渉が行われたのか」「合意の内容は何か」が、いまだに明かされていないという点だ。
今回の会談においても、赤沢担当相は「即時実施を求めた」と説明するにとどまり、具体的にどのような協議がなされ、どの項目について確認・修正を求めたのかは明かされていない。
これは今回に限ったことではない。過去にも自民党政権は、トランプ政権下での関税交渉において一貫して情報を「秘密扱い」にしてきた。
「どうしていつも交渉内容を隠すのか」
「政府が何か都合の悪いことを国民に隠しているのではないか」
「“国益”を口にしながら、実態は“選挙対策”に走っているのでは」
こうした不信感が強まる中、情報が出てこないことで現場対応が遅れ、結果として日本の企業が不利益を被るリスクは拡大している。
政府に求められるのは“誠実な説明”
今回の件は、外交交渉における透明性と説明責任の欠如が、どれだけ現場と国民に混乱と不安を与えるかを改めて浮き彫りにした。
赤沢担当相は、米側の「事務的ミス」との見方を崩していないが、いま政府に求められているのは「事実関係の隠蔽」ではなく、「誠実な説明」だ。
文書もなく、交渉の中身も公開されないままでは、いくら「合意した」と言われても国民も企業も納得できるはずがない。