2025-04-10 コメント投稿する ▼
米、関税上乗せを一時停止 赤沢経済再生相『前向きに受け止める』 対米交渉へ早期接触図る
この動きを受けて、政府内では今後の対米交渉にどう影響が出るかを注視する声が強まっている。
赤沢経済再生担当相「前向きに受け止めている」
10日午前、内閣府で記者団の取材に応じた赤沢亮正経済再生担当相は、今回のアメリカの方針転換について「前向きに受け止めている」と語った。赤沢氏は対米関税交渉を担当する閣僚の一人で、今後も関税措置の見直しを米側に働きかけていく考えだ。
「基本的に我が国の方針が変わることはない」とした上で、「米国側の交渉担当者とはできるだけ早期に接触し、最大限わが国の国益を追求していきたい」と強調した。
米国の関税政策、背景には選挙戦略も
今回の措置は、トランプ氏が掲げてきた「米国第一」の通商政策の一環であり、再選を目指す2026年の大統領選を見据えたパフォーマンスとみる向きもある。特に中国に対する強硬姿勢は、支持層へのアピールとして繰り返されてきた。
一方、相互関税の一部停止については、他国からの反発をやや和らげる狙いがあるとみられる。実際、報復関税を控えてきた日本や欧州諸国にとっては、今後の交渉余地が広がる可能性もある。
日本政府の対応は?
政府は今年に入り、経済分野での対米協議に赤沢氏を起用。林官房長官は赤沢氏の起用理由について「担当分野の現状や本人の手腕・経験を踏まえて首相が判断した」と説明している。
赤沢氏自身も、交渉に臨む姿勢として「ウィンウィンの関係でなければ、持続的な合意にはつながらない」と繰り返しており、単なる譲歩ではなく、相互の利益を重視する構えを示している。
経済界や市場の反応
トランプ大統領の発表を受けて、ニューヨーク市場では株価が急騰。貿易摩擦の緩和への期待感が広がった形だ。日本の経済界からも「日本企業にとって一時的な安心材料にはなる」といった声が聞かれる一方で、「根本的な構図は変わっていない」と冷静な見方も多い。
今後の焦点
今後の焦点は、90日後に米国が再び上乗せ関税を発動するのか、あるいは何らかの合意が成立するのかという点だ。日本政府は、米中の通商関係の動向を見極めつつ、日本企業の不利益を最小限に抑えるための交渉を進めていく構えだ。
また、同盟国としての関係を維持しつつ、経済的な独立性や供給網の多様化も同時に模索していく必要がある。赤沢担当相が今後どのような交渉力を発揮できるかが、今後の大きな鍵を握る。