2025-11-12 コメント投稿する ▼
鈴木農水相、高市総理の食料自給率100%目標は「将来の実現」 まず2030年度45%達成優先と表明
鈴木大臣は会見で「こうした方向でやっていくことの先に、将来輸出も含めて食料自給率100%というものが達成をできる」と述べ、段階的なアプローチを強調しました。 鈴木大臣も「将来輸出も含めて食料自給率100%というものが達成をできる」と述べ、総理の方針を支持する姿勢は示しています。
鈴木大臣は会見で「こうした方向でやっていくことの先に、将来輸出も含めて食料自給率100%というものが達成をできる」と述べ、段階的なアプローチを強調しました。現在の食料自給率は38%にとどまっており、まずは既定の目標である45%達成に集中する考えを明確にした形です。
高市総理の食料安保への強い意欲
高市総理は先週の参議院代表質問で、カロリーベースの食料自給率について「100%を目指していきたいという強い思い」を表明していました。記者からは「現状は38%、目標45%ということで、100%はかなり現実味が乏しく、総理自身も課題が多いということは認めている」との指摘がなされ、農水大臣の見解が求められていました。
これに対し鈴木大臣は「農林水産省といたしましても、食料自給率を向上させていく必要があるというふうに考えており」と政府として食料自給率向上の重要性を認識していることを強調しました。その上で、食料・農業・農村基本計画で設定された2030年度に45%とする目標の達成を当面の最優先課題として位置づけました。
一方で、高市総理の所信表明演説では「食料自給率100%を目指す」と明言されており、これが政府の中長期的な方向性であることは間違いありません。鈴木大臣も「将来輸出も含めて食料自給率100%というものが達成をできる」と述べ、総理の方針を支持する姿勢は示しています。
「食料自給率100%は現実的に可能なのか」
「まずは45%達成を優先すべきだ」
「輸出を含めれば100%も夢ではない」
「農業政策の抜本的な見直しが必要だ」
「食料安全保障は国家の重要課題だ」
参政党も同様の公約を掲げる
興味深いことに、今年6月の参議院選挙では参政党も食料自給率100%の公約を掲げていました。参政党の神谷宗幣代表は記者会見で「間違った農政を考え直す。増税するほど国民生活が苦しくなり人口が減るという負の流れを変えたい」と訴え、自国食料生産の重要性を強調していました。
参政党の公約には、食料自給率100%の実現とともに、外国人労働者の単純労働者受け入れ制限や外国人の土地購入厳格化なども盛り込まれており、食料安全保障を包括的な安全保障政策の一環として位置づけていました。
このように、食料自給率100%という目標は、政府与党から野党まで幅広く共有される国民的な課題として認識されていることが明らかになっています。しかし、その実現に向けた具体的な道筋や時期については、現実的な検討が必要というのが政府の立場です。
農政の課題と現実的な対応
現在の日本の食料自給率は、カロリーベースで38%、生産額ベースでも68%にとどまっています。これは先進国の中でも極めて低い水準であり、食料安全保障上の大きな課題となっています。
鈴木農水大臣は就任時に、高市総理から5つの指示を受けたことを明らかにしています。その中には「食料・農業・農村基本法に基づき、食料安全保障の確保等を推進する」「完全閉鎖型植物工場や陸上養殖施設等を展開し、米の安定供給を推進する」「2030年に農林水産物輸出を現在の1.5兆円から5兆円に拡大する」などが含まれています。
これらの指示は、食料自給率向上と輸出拡大を同時に進める戦略を示しており、「将来輸出も含めて食料自給率100%を達成する」との大臣発言とも整合性が取れています。
ただし、専門家からは「高市首相は所信表明で『食料自給率100%を目指す』と掲げたが、自給率を上げると言いながら生産調整するのは大きな矛盾がある」との批判も出ています。実際の農政運営では、減税優先の財政方針との兼ね合いも含めて、現実的な対応が求められているのが実情です。
政府は今後、食料・農業・農村基本計画に基づいて具体的な施策を展開し、段階的な自給率向上を図っていく方針です。食料自給率100%という理想と現実的な政策運営のバランスを取りながら、国民の食料安全保障確保に取り組む姿勢を示していると言えるでしょう。