2025-11-07 コメント投稿する ▼
コメ卸大手の業績急伸が物価高を加速―市場任せ農政で消費者負担増
同社は「2025年産米も販売単価が高止まりしており、販売単価の上昇は想定以上に継続するだろう」と説明しています。 木徳神糧も2025年11月6日に2025年12月期の連結純利益予想を従来の54億円から59億円に上方修正し、前期比約3.4倍で過去最高を更新する見通しを示しました。 鈴木氏は物価高対策として「おこめ券」などの補助を検討するとしていますが、根本的な価格抑制策は放棄する姿勢を示しています。
しかし、この好業績の背景にある米価高騰は、高市早苗政権の鈴木憲和農林水産相が価格抑制を否定する「市場任せ」の姿勢を示していることで、今後も継続する見通しです。物価高対策としては現在の数字の削減は意味がないという指摘もある中、消費者のコメ離れが懸念されています。
卸業者の過去最高益更新
ヤマタネは2025年11月7日に発表した2025年9月中間連結決算で、売上高が前年同期比12.8%増の431億円、純利益は約2.6倍の25億円と大幅増益を記録しました。同社は「2025年産米も販売単価が高止まりしており、販売単価の上昇は想定以上に継続するだろう」と説明しています。
木徳神糧も2025年11月6日に2025年12月期の連結純利益予想を従来の54億円から59億円に上方修正し、前期比約3.4倍で過去最高を更新する見通しを示しました。2025年1~9月期連結決算では、売上高が前年同期比50.4%増の1309億円、純利益が前年同期比約4.4倍の54億円と増収増益でした。
同社は業績上振れの理由を「取引先との価格交渉を通じた価格転嫁を適切に進めることができた」と説明しており、米価高騰の恩恵を最大限に享受している状況が浮き彫りになっています。
市場任せ農政への政策転換
石破茂前政権は備蓄米を放出したものの、店頭価格を引き下げることはできませんでした。高市政権で農相に就任した鈴木憲和氏は2025年10月22日の就任会見で「価格はマーケットの中で決まるべきもの」「農林水産省が価格にコミットすることはすべきではない」と明言し、価格抑制には否定的な立場を鮮明にしました。
これは前任の小泉進次郎氏が「コメ5キロの平均価格が3000円台でなければならない」として価格抑制に積極的だった政策からの大幅な転換です。鈴木氏は物価高対策として「おこめ券」などの補助を検討するとしていますが、根本的な価格抑制策は放棄する姿勢を示しています。
「コメ高すぎて買えない。卸業者だけ儲かってるのはおかしい」
「市場任せって言うなら、政府は何もしないってこと?」
「おこめ券配っても根本解決にならないでしょ」
「30年前と同じ値段だったコメがなぜこんなに高くなったのか」
「農家のことも大切だけど、消費者のことも考えてほしい」
供給絞り込みで価格維持
政府は2026年産の主食用米について、石破政権の「増産」方針から一転して「減産」を検討していることが判明しています。2025年の収穫量見込みから大幅減となる711万トンにする方針で、コメの過剰供給による価格下落を防ぐことが目的とされています。
鈴木農相は「需給バランスがこういう状況なので、来年の目安はこのくらいと生産していくのが基本」と説明し、生産調整により価格の安定化を図る考えを示しています。これは実質的に供給を絞り込むことで高値を維持する政策といえます。
消費者軽視への批判
現在の政策は農家や卸業者の利益を優先する一方で、高騰した米価を一方的に消費者に押し付ける構造になっているとの批判が強まっています。コメのように価格弾力性が低い食料品について、生産調整という人為的な需給調整を行うことで、消費者負担が増大する懸念があります。
鈴木氏は「10年から20年先に向けて、設備投資できる価格で買っていただく。そこを理解してほしい」と消費者に理解を求めていますが、物価高に苦しむ家計には厳しい要請となっています。
おこめ券の配布についても、需要減を抑制してかえって価格高騰を煽る可能性が指摘されており、効果的な対策とは言い難い状況です。財政負担も増すだけで、根本的な解決にはなりません。
米価高騰の長期化により、消費者のコメ離れが加速する可能性があります。主食であるコメの価格上昇は家計に直接的な影響を与えるため、政府には消費者目線に立った政策転換が求められています。
コメ卸大手の業績急伸が示すように、現在の米価高騰は流通段階での利益拡大をもたらしています。しかし、その一方で消費者負担は増大し続けており、市場任せの農政が本当に国民の利益になるのか、改めて検証が必要でしょう。
コメ卸大手が業績急伸する中、鈴木農相の市場任せ農政で米価高騰が長期化。減産方針で供給絞り込み、消費者負担増が深刻化。