鈴木憲和農水相「米価=洋服価格」発言に批判 減反政策完全撤廃こそ急務

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鈴木憲和農水相「米価=洋服価格」発言に批判 減反政策完全撤廃こそ急務

実際、専門機関の分析によれば、米価を下げる根本的な対策は「減反政策の廃止」だと指摘されており、減反を続けている限り供給の抑制が価格高止まりを招いているとの観点がある。 政府が市場原理を重視する立場を打ち出すならば、矛盾として浮上するのが「減反政策・生産調整政策」の存在である。

鈴木憲和農林水産大臣の“米価=洋服”発言に波紋


2025年10月28日、鈴木憲和農林水産大臣は記者会見で、国内の主食用米(以下「米」)の価格高騰に対し「洋服を作っている方がいるとします。洋服って私たち暮らす上で必要なものです。洋服の値段がもし高いよねという状態になった時に、政府が『洋服これは高すぎるんじゃないか』と介入するかどうかを考えて下さい」と述べ、米価を洋服価格と同列に語った。発言を受け、SNS上では「食料品を衣料品と同一視するのか」と批判が噴出している。

一方で大臣は、「価格は市場で決まるべきもの。政府あるいは政治家が価格に言及すべきではない」とも明言しており、政府の価格介入否定を鮮明にした。

発言が示す農政の転換と批判の背景


鈴木大臣の発言は、政府が米価に対して価格支持・介入は行わないという立場を改めて強調したものだ。就任時から「価格はマーケットで決まる」と明言しており、過去のような生産数量目標型・価格誘導型の農政を転換する姿勢である。

ただし、こうした姿勢の裏側には、長年にわたる日本の米政策における「生産調整=減反政策(主食用米の供給を政府主導で抑制する制度)」の存在がある。減反政策は1971年から始まり、その目的は過剰生産を抑え米価を一定水準に維持することだった。

実際、専門機関の分析によれば、米価を下げる根本的な対策は「減反政策の廃止」だと指摘されており、減反を続けている限り供給の抑制が価格高止まりを招いているとの観点がある。

発言に対し、国民からは次のようなSNSの声が出ている。

「米=洋服って言い出すなんて…。食の安全保障をなんだと思ってるのか」
「洋服は代替可能でも、米は主食で無くなったら困るんだよ」
「市場原理が大事なら、減反政策・ステルス減反政策を完全に撤廃してから言え」
「価格介入しないなら関税も撤廃して安く輸入してよ」
「この発言で農家にも消費者にも失礼。政策舵取りが甘すぎる」

政府が“価格には一切口を出さない”という宣言に対して、「ではなぜ減反を続けているのか」「なぜ輸入関税を維持しているのか」という矛盾を指摘する声が強い。

「減反政策」と現状の矛盾


政府が市場原理を重視する立場を打ち出すならば、矛盾として浮上するのが「減反政策・生産調整政策」の存在である。日本は米の生産数量目標制度を2018年産から廃止したが、実質的な生産調整や転作補助金は続いており、産地・生産者への影響はいまだ大きい。

専門家からは、「生産可能量を政府が抑制し続けてきたため、供給がギリギリ水準になり、結果として米価高騰を招いてきた」との指摘もある。

つまり、「政府は介入せず市場原理に任せる」と言いながら、実際には供給を抑制する政策を温存しており、米価を下げるためにはまずこの減反・実質的な生産抑制策を完全に撤廃するべきだという論点がある。

批判の本質:食料安全保障と国民生活への影響


今回の発言で特に問題視されているのは、米が「国民生活の基盤」であり、衣料品とは重みが異なるという認識が欠落しているという点だ。米は食料自給率・食料安全保障の観点から国家戦略的に重要である。

政府が価格に介入しないという姿勢を打ち出すなら、単に「市場任せです」で済む話ではない。国内の生産構造や流通・価格水準を包括的に考え、国民の暮らしの安定を最優先する対策が必要だ。米価が高止まりすれば、消費者の負担が増すだけでなく、米離れ・生産基盤の弱体化など課題が連鎖する恐れがある。

現状、政府が示す増産ではなく減産方針という逆行的な動きも報じられており、政策の一貫性・透明性が問われている。 ([日本共産党][5])

筆者の見解:減反完全撤廃こそ筋道


鈴木農相の「米=洋服」というたとえは、語感としてあまりに軽く、農業・食料を取り巻く現実を十分に踏まえていない。自由市場の原則を重視するならば、何よりもまず減反政策・ステルス減反政策を完全に撤廃すべきだ。これを続ける以上、政府は間接的に米の高騰に加担していると見ざるを得ない。

また、政府が「価格には口を出さない」とするならば、代替となる具体的な政策=生産規模拡大、流通改革、関税制度の見直し、国内外需給の適切な見通し提示、国民負担軽減策などを明確に示す必要がある。現時点では政策に抜け穴が多く、国民の信頼は得られない。

自由市場を尊重する立場からも、食料という重要財を「衣料品のように扱う」発言には慎重であるべきだ。価格適正化を掲げるならば、それと同時に供給側・流通側・消費側の構造を改革する覚悟を示すべきであり、口先だけでは済まされない。


今後注目されるのは、

①政府が減反・転作補助金など生産抑制策をどこまで廃止・見直すか
②米の国内需給バランスおよび海外需給への対応をどう設計するか
③消費者負担軽減策として米価高止まりに対する具体的支援をどう講じるか
④この発言が農家・産地・JA(農業協同組合)等に与える影響と農政信頼への波及

いずれも政策の“言葉”ではなく“実行”が問われる局面だ。

米価をめぐる問題は単なる経済指標ではなく、国家の食料安全保障・国民の生活基盤の問題である。発言者が誰であれ、この重みを軽視してはならない。

コメント: 1件

2025-11-02 10:52:59(植村)

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上記の鈴木憲和の活動をどう思いますか?

コメント

明らかに供給量足りていないですよね❓️市場にまかせるというなら現在自治体がやっているステルス減反政策を辞めさせろよ‼️

あと株式会社の農業参入を認めろ‼️

2025年11月3日 08:01 ゆう

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