2025-08-08 コメント: 1件 ▼
全国知事会、人口減少危機で政府に司令塔設置を要請 地方連携で対策強化求める
全国知事会、人口減少対策で政府に「司令塔」設置を要請
全国知事会は8日、加速する人口減少の危機を克服するため、政府内に新たな司令塔組織を設置し、地方と連携して強力に対策を進めるよう求める緊急提言を行った。
同日、人口戦略対策本部の本部長を務める鳥取県の平井伸治知事が、伊東良孝地方創生担当相と内閣府で面会し、提言書を手渡した。平井知事は「人口減少は喫緊の課題。マインドチェンジとシステムチェンジが必要だ。国と地方が車の両輪となって取り組みたい」と強調した。
若者・女性に選ばれる地域づくり
提言では、人口減少が危機的状況にあり「国を挙げて克服すべき時だ」と明記。その具体策として、
▽若者や女性に選ばれる地域を作るための雇用確保や柔軟な働き方への転換
▽安心して子育てができる環境の整備
▽過度な東京一極集中の是正と分散型社会の構築
を挙げた。
知事会は、こうした施策を一貫して推進するため、政府に人口政策を統括する常設の司令塔組織を求めている。
「国が本気で動かないと地方は持たない」
「雇用・子育て・地方分散を同時に進める体制が必要」
「東京一極集中の是正は口だけで終わってきた」
「政府内で責任を持つ部署を作るべき」
「人口減少は経済安全保障の問題でもある」
東京一極集中の是正と分散型社会
提言は、人口減少対策と東京一極集中是正を不可分の課題と位置づける。災害時リスクの分散や地方経済の活性化にも直結するため、地方への人材・企業移転やデジタルインフラ整備を加速させるべきだとしている。
知事会は、これまでの地方創生施策が短期的・分散的に終わり、成果が限定的だったと分析。今回は「国全体の構造改革としての人口政策」を打ち出し、長期戦略として取り組むことを求めた。
政府が司令塔組織を新設するかどうかは、来年度予算編成や関連法整備の議論と連動するとみられる。各省庁の縦割りを超え、雇用、教育、福祉、都市政策を統合的に進められる体制が構築できるかが焦点だ。
人口減少は地域存続の基盤を揺るがす深刻な問題であり、全国知事会の提言は、国に対して「待ったなし」の対応を迫るものとなっている。